2006年07月21日

「洪水ハザードマップ」について@水トピック

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品川区の洪水ハザードマップ(品川区HPより引用)


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■テーマ:洪水ハザードマップを知る
■情報源:財団法人 河川情報センターホームページ
http://www.river.or.jp/hazard/link/
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水害が発生する度に話題となる洪水ハザードマップ。
ハザードマップとは果たしてどんなものか、またどこで入手できるものなのか?
洪水ハザードマップに関する基礎情報を紹介する。

【1】洪水ハザードマップとは?

ハザードマップとは、自然災害による被害を事前に予測し、その被害範囲を地図化したものである。
一般に、予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲および被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報が既存の地図上に図示されている。

●作成目的・・・万が一の水害時に、地域の住民が安全に避難できる事。

●作成者 ・・・浸水実績がある区域や、水防法によって指定を受けた浸水想定区域の通知を受けた市区町村長

●掲載内容・・・避難をするために必要となる情報として、「想定浸水深」、「避難所の位置および一覧」、「緊急連絡先」、「避難時の心得」など。

●作成効果・・・事前に洪水被害を知ることが出来、日頃から危機意識を持つことができる。その結果、実際の災害発生時に何をすべきか、何が必要かが冷静に判断でき、素早く避難することが出来る。

【2】歴史

日本では、1990年代より防災面でのソフト対策として作成が進められてきた。

導入当初は、ハザードマップで危険度高とされた地域からの「公表されると不動産価値が下がる」との懸念が問題となった。

しかし現在では、人命優先やリスクを正しく知るという観点、危険度高地域から行政が適切な対応をしているかの監視が可能になる点等の有用性が認められ、公表が常識となっている。

最近は、行政のみならず、損害保険会社においても作成が進められているハザードマップ。
しかし、掲載情報の取捨選択や、見やすさの追及、更には情報が硬直化する危険性などの問題も合わせての試行錯誤が今なお続いている。

【3】作り方

主な作成から活用に至る手順は次の通り。

@洪水ハザードマップ検討委員会の設置
A地図情報の収集整理
B洪水条件の設定
C洪水の氾濫解析シミュレーション、及び危険箇所(特に土砂災害)の現地調査
D避難情報の整理(避難所・ルート等々)
D防災上の課題抽出整理。
E洪水ハザードマップの完成
F住民への普及活動
G地域住民のハザードマップの活用

【4】入手方法

基本的に、自分の属する自治体の担当部署に問い合わせることで入手が可能である。
また、一部の自治体ではインターネットによるハザードマップのダウンロード・サービスも行っている。

内閣府「全国ハザードマップ・データベース」

財・河川情報センター「洪水ハザードマップ公表状況」

東京都「洪水ハザードマップ」

【6】利用方法と注意点

まずは自分の町の洪水ハザードマップを入手し、自宅の水災リスクを把握することが第一。
洪水時に達する水深のレベル、避難する場所とルート、そしてタイミング。
更には、土砂災害の危険性等をきちんと把握しておきたい。

ただし、自然災害相手だけに、ハザードマップで想定する発生地点や災害の規模もバラバラなのが現状。
また予測を超える災害発生の際には必ずしも対応できない可能性もあるので、注意が必要である。


※その他情報源
国土交通省京浜河川事務所

国土交通省狩野川ホームページ



2006年06月15日

「土砂災害と水」について@水トピック

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■テーマ:土砂災害と水の関係
■情報源:国土交通省砂防部ホームページ
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/index.html
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日本は梅雨の時期を迎え、今年も土砂災害のニュースが増えてきた。

日本での自然災害による死者・行方不明者のうち、約半数が「土砂災害」に因ることをご存知だろうか?
この土砂災害の原因として、雨・地震・火山活動などが挙げられるが、特に「豪雨」をきっかけとする土砂災害で毎年多くの犠牲者が生まれている。
すなわち、「土砂災害と水」は実に密接な関係がある。

そもそも、土砂災害とはどんな災害を指すのだろうか?

実際の土砂災害の映像は以下のホームページで見ることができる。

国土交通省砂防部 土砂災害とは

砂防広報センター 砂防広報ツールのご案内

土砂災害は、主に「土石流」「地すべり」「がけ崩れ」の三種類に分類され、それぞれの特徴は、多くの自治体のホームページで解説されている。
一例を挙げれば、

神奈川県ホームページ

千葉県ホームページ

福島の砂防


では、果たして我が家は土砂災害の危険性はあるのだろうか?

土砂災害に関しては、「土砂災害防止法第4条」において、 土砂災害によって被害を受けるおそれのある土地に対して、所管の行政機関が必要な基礎調査を実施することが定められている。
また、その調査結果は。「土砂災害区域図」「土砂災害マップ」「土砂災害ハザードマップ」等の名称で一般に公表されているので、是非とも確認することをおすすめしたい。。

自治体によっては、全ての情報がインターネットで閲覧できるところもある。

広島県土砂災害マップ

インターネットで詳細情報が得られない場合にも、役場に問い合わせれば入手方法を教えてくれる。


最後に、土砂災害に遭遇しないために事前にできることは何か?

それは、平常時から土砂災害に関する基礎知識を身につけ、危険を察知したら直ぐに安全な場所へ逃げる準備をしておくことであろう。

この「危険」を判断するチェックリストの一例を以下に示す。

防災ネットいわて 土砂災害チェックリスト

国土交通省砂防部 土砂災害に備えて チェックリスト

防災の基本は「自助」から。
土砂災害に対する不安があれば、まずは最寄の役所に相談することを忘れずに!

2006年05月08日

「防潮堤」について@水トピック

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■テーマ:防潮堤について
■情報源:目黒川防潮堤建設工事
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近所の防潮堤建設工事現場を見てきた。
身近な河川公共事業の様子(工事方法、価格等)が理解できるサンプルとして、工事現場の写真を交え、「防潮堤」について簡単に紹介したい。

【1】目黒川防潮堤建設工事の概要(昭和橋上流側)

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Photo-1:工事現場の様子

都内を流れる目黒川の下流部に架かる「昭和橋」付近では、約9ヶ月をかけて、左右岸併せて27mの防潮堤(高潮護岸)建設工事が行われている。
総事業費は約1億5千万円。(東京都負担1億円、国負担5千万円)
単純に計算すると、堤防1mあたりに換算して費用約550万円、工期は10日間となる。

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Photo-2:防潮堤の構造

構造タイプは、基礎に丸い鋼管杭を打ち、その上コンクリートの壁を設置する「自立矢板式護岸」。
都市河川でよく見かける構造で、目に見えるコンクリート護岸は全体のほんの一部だが、実は地中深くまで基礎杭が埋められていることが判る。

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Photo-3:完成後の防潮堤(昭和橋下流側)

完成後はおそらく写真のような綺麗な護岸になる。
この工事、本当に1億5千万円の価値はあるの?
次の防潮堤の役割を知れば、何となくその価値がありそうな気がしてくる。

【2】防潮堤と高潮対策

そもそも「防潮堤」とは何か?

防潮堤(高潮堤とも言う)とは、台風等による高潮の被害を防ぐ堤防を指し、一般的には高潮時の波が堤防を越えても、破堤しないようコンクリートなどで覆われた構造となっている。
東京湾沿岸部の海に面した運河沿いなどが防潮堤に囲まれている光景はよく目にするが、高潮の影響が及ぶ川の下流部の堤防も「防潮堤」として整備される。

通常、川の堤防の高さは、起こりうる洪水の水位(上流から下流へ水が流れる時に達する水位)を基準に決められる。
しかし、河口部の様な高潮が影響する区間については、起こりうる高潮の水位、すなわち海の海水面の高さを基準に決められ、その堤防(=防潮堤)の高さは水平である。

昨年8月のハリケーン・カトリーナによるニューオーリンズ高潮災害は記憶に新しいが、高潮による破堤に伴う浸水は、河川における洪水の氾濫と異なり、宅地側の浸水面が海水面と同じになるまでほぼ無限に水が流入するため、大浸水深の発生による浸水の長期化を招き、被害は極めて深刻になる。

こうした被害を防ぐための施設の一つが「防潮堤」であり、具体的な施設は以下のページを参照されたい。

■東京都港湾局 高潮からまもる施設の紹介
 →港湾局ホームページ 

日本の大都市には海抜ゼロメートル地帯が多く存在し、一度高潮被害が発生すると壊滅的な被害を受ける可能性を秘めている。

地球温暖化による海面上昇の問題もあり、防潮堤建設をはじめとする高潮対策は今後益々重要となっていくであろう。

■ゼロメートル地帯の今後の高潮対策のあり方について(H18.1国土交通省)
 →国土交通省ホームページ

上記知識を得た上で、晴れた休みの日に、運河沿いの防潮堤巡りをするのも面白いかもしれない。
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